「阿佐ヶ谷住宅の建て替え問題」で両者が前を向いた!

2008年5月18日 02時37分 | カテゴリー: 市民参加のまちづくり

対案をつくる支援と合意形成のための時間が必要

こう着状態にある阿佐ヶ谷住宅建替え組合と周辺住民。2月のまちづくり協議会では「話し合いの余地がないじゃないか」と声を荒げる場面もありました。しかし、すぎなみ地域大学長の松田輝雄さんの司会で始まった今日のまちづくりセミナーは違っていました。
<写真>1部屋90㎡台の間取りの模型

講師は阿佐ヶ谷住宅の地権者のお一人でもある後藤治さん(工学院大学教授)。「風景の継承とまちづくり−規制はだれのためにあるのか−」についてのお話しでした。
特別これまでと違ったお話ではなかったのですが、丁寧に丁寧にパワーポイントを使いながら「地域に大事なものを残していくには」というお話がありました。なによりも、後藤さんの仲間(大学で教鞭をとっている方たち)の方たちが学生と一緒につくった模型が圧巻でした。生きた題材として研究を兼ねて学生とつくった案だとか。
これまで、建替え組合の「敷地中央に6階建てを配した案」に対して声を大にして反対していた周辺住民も、「敷地全体に4階建てが配された案」に、「これだったらいい」と。<写真下右>

この設計案に対しては建替えをする当事者側も評価していました。これまで両者が向き合うことなくきましたが、なんとか同じ方向を向いて歩んでいける−そんな雰囲気にはなりました。
現実には等価交換で建替えるために条件的に厳しい部分があるようですが、こういう案を出し合い、道についても区のまちづくり基本計画に沿いながら1歩1歩合意を高めていきたいという意見が出ていました。
出席していた区の担当部長から「区としても早く阿佐ヶ谷住宅を建て直してもらいたい。区のまちづくり基本計画があるのでそれに沿ったものになろうかと思う」という話がされましたが、これには意見が出ませんでした。(都市計画に関してはOKなのですね、きっと)

最後に司会の松田さんが周辺住民に対して「6階建てがだめなら、あなたがたがいいと思う案を提示すべきだったのではないですか」と発言されました。これです。普通の市民が対案となる図面を書くことは難しいです。仲間に専門家がいればわけないのでしょうが、ボランティアで図面を引くというのも難しいですね。そういう時に市民の活動を支援するしくみが必要なのです。たとえ原案に反対するものに対してでも。建物が原因で紛争になることが多くなっています。紛争を回避、もしくは軽減する手法を双方が学ぶこと、つまり紛争防止のしくみが必要ですね。