「これから先、どういう住まいを選択しますか?」−住まい方視察②

2009年4月1日 23時36分 | カテゴリー: 福祉

コミュニティーハウス法隆寺に見る新しい住まいづくり

最近、地域を歩いていると、
「一人になった時、どういう住まいがいいのかしらねー」
「有料老人ホームとかグループホームとかあるけれど、どれがいいのかしら」
というお声を多く聞きます。
10人いたら10様の住まいを希望する声があります。自分らしい住まいをどう見つけるのか−しっかりしていればしているほど難問です。

昨年7月、「住まい政策」をつくるにあたり、事例を学ぶための視察に出かけましたが、報告としてHPに書きませんでした。なぜか?それは、これからご紹介する「住まい」は、大勢の人に選択してもらうには難しいという感想を持ったからです。しかし、いま、地域にある、終の棲家をどう考えるか、の声を聞きながら、同じ価値観をもった人たちが集まり、理想とする「住まい」を自らの手でつくったこの事例を、情報としてお伝えすべきと思い、HPで報告することにしました。(視察報告は議会事務局に提出してあります)

視察先の「コミュニティーハウス法隆寺」は斑鳩(いかるが)にありました。
コレクティブハウス(「私」の領域とは別に入居者の共用空間を設け、食事・育児などを共にすることを可能にした集合住宅)とコーポラティブハウス(個人の意思・価値観を尊重したつくりをした集合住宅)の融合を目的とした新しいコンセプトの住宅。

入居希望者が株式会社安寿(あす)ネットを設立。建設資金はこの株式会社への出資金と
追加負担金で賄われます。安寿ネットとして、建設費・敷地の賃貸借契約金を支払っていきます。土地は農協から定期借地権(50年)で契約。出資額は一人770万円。夫婦であれば770万円×2人。入居後の運営は、安寿ネットを中心に入居者全員の協働で行われています。50〜80代のご夫婦4組、単身3人が入居されていました。千葉県や埼玉県からこの斑鳩の町にやってこられた方もいらっしゃいました。

居室は、自己負担で自由に設計できるようになっています。セミオーダー感覚ですね。1000万円多く支払った方もいらっしゃいました。う〜む、ため息です。
先ごろ、ご主人を亡くされた方がいて、一人になった奥様は、結局、ここから退去されたとのこと。「株」は勝手に譲渡できないので空いたお部屋分の費用は他の居住者負担になります。このように、最初は全室埋まってスタートしたとしても、退去者があれば「株」の問題があります。次の入居者が見つからないとその間、新入居者を安寿ネット自ら探すとのこと。大規模修繕費用の捻出、株価が経年下落することを考えると結構、難しい課題を抱えます。しかし、一緒にお料理をつくったり、おしゃべりをしたり、でも一人でいる時間も保障され、みなさん自由に共同生活を楽しんでいらっしゃいました。

視察後、生活者ネットワークの政策に生かせるかどうか議論を重ねましたが、やはり一定以上の資産がある人に限られる「住まい」は政策化するのは難しいという結論に達しました。しかし、こういう「住まい」を大勢の人が望むのであれば、可能にする制度や経済的支援策を考える必要があります。皆さんは、どういう「住まい方」をしたいですか?どうぞ、ご意見ご感想をお寄せください。

<写真左下>同じドアなので、分かりやすくするためにカラータイルをはめてあります。
<写真右下>手作りの糠漬けはTさんの担当。皆さんが楽しみにしていますし、Tさんの生き甲斐にもなっています