日本の古着が、パキスタンの子どもたちの「夢」を支えている

2010年1月27日 10時12分 | カテゴリー: リユース・リデュース・リサイクル & 廃棄物

JFSAの活動をもっとおおぜいの人に知ってもらいたい

1つの塊(ベール)は50㎏。コンテナに積み、船でパキスタンに運ばれます。説明しているのが入江さん。
1つの塊(ベール)は50㎏。コンテナに積み、船でパキスタンに運ばれます。説明しているのが入江さん。
衣類のリユース。NPO法人日本ファイバーリサイクル連帯協議会(JFSA)がある千葉市中央区都町に杉並ネットの環境部会の仲間たちと訪ねました。JFSAは、パキスタン・カラチ市の、スラム地域に暮らす子どもたちが無料で通える学校「アルカイール・アカデミー」の運営をささえるために、パキスタンの人たちと協力して古着販売の事業を行っています。

JFSAの倉庫の左側には、ひもでガシッと縛られた50kg/個の塊(ベール)が天井まで積み上げられていました<写真>。2月3日にコンテナに積み込まれ、2月6日に出港、3月1日にパキスタンに着く予定とのこと。その量は23t、50kgの塊400個以上となり、36万円かかる。年3回送り、その量は90tに及ぶ。JFSAではモノがきちんと届くことを保証するために、現地に人を派遣して荷受に立ち合っている、という説明がありました。

倉庫の右側には、家庭から送られてきた袋に入った古着の山。私たちは「1次選別」を体験してきました。袋から出し、分類ごとに分けていきます。13人で1時間弱作業し、約670kgを選別しました。中古の下着(ガードル・ブラジャー・ボディスーツ)も対象物だということに驚きました。もっと驚いたのは、袋の中が「男性セーター」「女性シャツ」「下着(新品)」「下着(中古)」・・・など、しっかり仕分けがされているものがありました。この人は以前、ここでボランティア選別をしたことがあるに違いない、と思いました。
2次選別では国内用・パキスタン用に分けられます。国内販売の収益はJFSAの活動費に、パキスタンの古着商に売った収益はアルカイール・アカデミーの運営費(教師のお給料)になります。

親の借金の「かた」だったり、親に仕事がなかったりで、パキスタンのスラム地域の子どもたちは幼いころから働いています。伝統のミラー刺繍の手仕事も女の子が小さな手で器用につくります。また、ごみの中から有価物を抜くのも子どもが行っていて、生活を支えています。そこには注射針も捨てられているので、靴を履くよう指導しているが裸足で来る子がなくならないとのこと。そのような子どもたちを学校によこすよう、親の説得から始まるそうで、これが結構大変だとのこと。

2005年のパキスタン大地震の後、公立学校は機能していないそうです。だから、この「アルカイール・アカデミー」の役割が重要になっているとのこと。この学校は「福祉学校」という位置づけだそうです。しかし、卒業後、スラムの出身者ということがついてまわり、能力を適正に評価してもらえないという悩みを抱えています。だから、「スラムを出る」のではなく、「スラムの生活を変えていく」という考え方でやっている、と。

私たちを迎えてくれた若者4人。3人が専従で、1人がアルバイト。この活動に参加した理由をうかがったところ、兄上が生活クラブ生協の職員を神奈川でやっていることでこの運動を知り、共感してという依知川さん、バックパッカーで外国を歩いてきた自分にできるNGO活動がこれだったという入江さん、高校時代からNGOの仕事がしたいと思っていたのでという女性、外国を歩いてきた経験を生かしたいとアルバイト求人誌を見て「これだ」と見つけたというアルバイト君。今日出会った若者たち、とても頼もしく思えました。依知川さんから「この活動をもっとおおぜいの方に知ってもらいたい。選別のボランティア、大歓迎です」との話がありました。結構、選別作業にはまってしまって、お昼の時間を過ぎているのを忘れるほどでした。(お昼ご飯は、パキスタンカレー(サラダ・チャイ付き)500円。すっごく美味でした)

古着や古布は「リサイクルの優等生」と学んで20年。杉並区も区内10か所で毎月第二土曜日10時〜12時に古着の回収を行っています。拠点を多くするとか、通常の集積所に出せるようにするとか、もっと気軽に回収に参加できる方法があるとよいのですが。杉並で回収された古着はどういうルートをたどるのでしょうか。調べてみたいと思います。

<JFSA常時受付品目>
●毛布(新品・中古)●和服と帯(どちらも正絹・木綿・麻のみ)●ハンカチ(新品・中古)●靴下(新品のみ)●下着(新品のみ)*ブラジャー・ガードル・ボディスーツは中古も可●男性半袖(Tシャツ・ポロシャツ・ワイシャツ)●タオル類(新品・中古)●スカーフ●帽子