「トキはマグロとは違うんです。判断基準は人間の「食料」かどうかです」−宮村光武さん(生物学者)①

2010年4月4日 11時01分 | カテゴリー: 活動報告

「市橋さんは、先日のトキが襲われた事件をどう思いますか」宮村光武さんの質問が飛んできました。
「ん〜、トキが外に出ないようにする視点しかなかったのが問題だったのではないでしょうか。入ってくる敵のことを考えなかったからでは?」
生物学者の宮村さんは、
「トキはクジラやマグロとは違うのです。保護する対象かどうかを考えなければなりません。人間が生きていくための食料かどうかが、判断の基準です。トキは人間の餌(食料)にはなりません。パンダも同じですよ」
「ハハハハ・・・(答えの次元が違ってた(^_^;)!)」

なるほど。言われてみれば、トキやパンダは人間の餌にならないですよね。食べようものなら、どんな仕打ちが待っているかと思うと、ぞっとします。
「生物学的に言うと人間の餌になるものは絶滅させてはいけなのです。マグロやクジラは人間の食料ですから、保護もしなければなりませんし、養殖の技術を開発する必要があります。トキは別です」

国の総力挙げて(ホントに)人工繁殖を行っているトキ。その檻にテンが入って、放鳥間近のトキが襲われ、一夜にして9羽が死んだというニュースが日本国中を駆け巡ったのはつい先日のこと。3日も4日もトキ事件のニュースで持ちきりでした。テンが悪者になった瞬間でした。
「あれは変でしたね」と宮村さん。
そうですよね〜。私もあの報道が何日も続くのには「?」でした。

トキは、税金をかけて国が保護していく対象なのか、よ〜く、考えねばならないということですね。なぜトキがいなくなったのか。農薬だけがトキの「敵」になっていますが、本当にトキを地域の鳥として繁殖させようとすれば、トキがたくさん生育していた当時の環境に戻すということでもあります。当該地域の人たちに、その「時代」の暮らしに戻ることを選択させることとイコールです。

心情的には「トキがいた方がいい」ということは理解します。しかし、税金を投入して人工繁殖させ、トキの数を増やしていくのであれば、その次のストーリーが必要です。自然にトキが繁殖するためには、地域の自然、産業を考慮したまちづくりをどうしていくのか。これが見えてこない税金の投入はまずいです。いつまでも、人工繁殖させて、目先の数だけ増やしていくのがいいわけではないのですから。
・・・ということを考えさせられました。

次は、生物学者の宮村さんが語る介護保険について書きます。