苦しいとわかって行ったアヤメ平は、やっぱり苦しかった

2010年8月8日 22時57分 | カテゴリー: 川・みず・みどり

尾瀬の涼しさを東京に持って帰りたい

東電小屋の裏手にある、合併浄化槽(足元)と太陽光発電。
東電小屋の裏手にある、合併浄化槽(足元)と太陽光発電。
尾瀬は何回目ですか?と訊かれ、口ごもってしまいます。
ある人に、「尾瀬は人が入ってはいけないところです。何回も行くなんて罪人です」と言われ、ちょっと心が痛むところがあります。たぶん、今回で5回目だと思うのですが、燧(ひうち)ヶ岳、至仏山、アヤメ平…、そういう意味では、りっぱな罪人かもしれません。「尾瀬の環境を考える会」というグループが、尾瀬の環境を見て、感じ、自分たちの日々の暮らし方を見直していこう、という活動を15年ほど前から続けています。今回、久しぶりに参加しました。

1度、アヤメ平に行ったことがあります。「平」という名に楽だろうという甘い気持ちを持って歩きだしましたが、いきなりきつい登りで、なんでこれが「平」なの?と、アヤメ平行きを後悔したものでした。今回は区議補欠選挙もあり、疲れを癒すための尾瀬だったので、平坦な尾瀬ヶ原コースを選ぶつもりだったのですが、行きがかり上アヤメ平コースに。つい、つらい道を選んでしまう習性に(なってない、なってない)。やっぱりきつかったー!しかし、以前訪れた時に見た殺風景なアヤメ平とは違い、黄色の絨毯を敷き詰めたように咲くキンコウカ(写真下)は、雲上の楽園といわれるだけあって素晴らしい風景でした。50年前、無秩序に入ったハイカーに踏み荒らされ、地面が凹んでしまった湿地。東電による地道な植物の再生作業が行われていますが、植物は再生しても、凹みは二度とは戻らないそうです。

だから、尾瀬は木道が整備されています。これまで、鳩待峠から尾瀬に入るところは石がごろごろしていて、足場が悪かったのですが、木道と木製の階段が完璧に整備されていて歩きやすくなっていました。そして、尾瀬の写真に必ず出てくる湿原の木道。東京電力、環境省が敷いている木道はしっかりしていますが、県が管理する木道は、ボロボロに割れていて歩きにくく、危険な道になってしまっています(特に福島県側がひどい)。

ハイカーに人気の東電小屋は、太陽光発電と合併浄化槽を採用しています。特に興味を持ったのは、台所や風呂、トイレ、洗濯で使った水は合併浄化槽でバクテリア浄化をして、飲めるくらいになったものをパイプで川に持って行って流しているということでした。尾瀬は貧栄養だからこそ現在の植物が維持されているので、湿原に富栄養の水が入らないよう、川までパイプを引っ張っていって放水している、と説明がありました。善福寺川にも、雨天時に汚水混じりの雨水が68か所の吐水口から川に流れ込みます。合併浄化槽を採用すれば、川に汚物が入らないで済むのですが、今は合併浄化槽はだめ、ということになっています。
JSATシステムが入っていました。尾瀬にある山小屋間の連絡や外との通信が映像ででき、尾瀬の映像を1時間に2枚配信しているそうです。

夏休みになっているので、
県立尾瀬高等学校の自然環境科の生徒たちが、尾瀬の川の水質調査をしていました。この高校の自然環境科は先生1人が生徒7人を担当するというきめ細やかな体制だそうです。「自然との共生を図ることのできる人づくり」が教育理念になっています。こういう学校があることを初めて知りました。若い人との出会いも尾瀬の魅力です。

もう一つ。尾瀬の夜は真っ暗闇です。久しぶりに満天の星空を見ました。カシオペア座、北斗七星、はくちょう座、と目で追っていくと光が動いている。詳しい方がいて「小惑星探査機だと思いますよ」と。なんと、先ごろ地球に帰ってきた探査機はやぶさの歌もあるのだとか。テレビのニュースで見たきりの「はやぶさ」と同じ探査機が目の前を飛んでいる。なぜかワクワクするものがありました。都会の光害、もうみんなあきらめてなにも言いませんが、日々の暮らしの中で星が見られるくらいの豊かさがあってもいいのではないでしょうか。「豊かさ」指標の一つに、「星の観察ができる」を入れて☆(ほし)い(座布団1枚!)。

戻ってきた時の東京の暑さと言ったら!尾瀬の涼しさを持って帰りたかった…と書いたところで雨が降ってきました。台風4号の雨。