日韓併合100周年首相談話、与野党からの批判に思う

2010年8月11日 02時05分 | カテゴリー: 市橋あや子は考える

地域で在日韓国・朝鮮の方たちとの関係を市民レベルでつくる

今年の5月、都庁の都民ギャラリーで開かれた朝鮮学校生徒の展覧会。朝鮮第九初級学校生徒の作品の前で。
今年の5月、都庁の都民ギャラリーで開かれた朝鮮学校生徒の展覧会。朝鮮第九初級学校生徒の作品の前で。
日韓併合100周年。1910年に日本が朝鮮半島を植民地支配して100年というこの8月。今日、菅首相は談話を発表しました。
「韓国の人たちは、日本による植民地支配により、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけられた」という第三者的表現に
違和感を感じました。1995年、当時総理大臣だった村山富市氏のいわゆる「村山談話」を踏襲し、侵略の歴史を認め、謝罪する内容なのですが、「日本は、韓国の人々の国と文化を奪い、民族の誇りを深く傷つけた」ではないのです。しかし、「自らの過ちを顧みることに率直でありたい」という談話が、国内にあるさまざまな意見に配慮したぎりぎりな表現なのでしょう。

今回、宮内庁が保管している李氏朝鮮時代の祭礼や王室行事を絵画や文章で記した儀典書「朝鮮王室儀軌(ぎき)」(80部163冊)を引き渡すとしました。「返還」ではなく、「渡す」としたところに、賠償問題を解決済みとする意図があるのだとか。この公文書の存在を初めて知りました。
日本が傷つけた国の人々の所有物を日本政府が保管していた。それを「返す」のではなく「渡す」と言っています。「保管」の意味は、他人の物を保護・管理すること。韓国の持ち物を宮内庁が保護・管理していたのだから「返す」でいいと思うのだけど、単に物の置き場を移す時に使う「渡す」という言葉。今度は韓国が保管していいですよ、と言っているような。外交上、微妙な言い回しになっているのがまどろっこしいというか、気になります。。

野党の意見も受け止めながらまどろっこしい談話を発表したのに批判され、また、与党の中からも批判があり、まったくどういうことかと思います。与党で批判しているのは、杉並区立中学校で使う歴史の教科書に「新しい歴史教科書」(戦時中、日本が朝鮮、中国に対して行ってきた行為がある、とすることは自虐的歴史認識だと記述している)を選定させた杉並前区長と同じ松下政経塾出身者です。

以上、談話関連のニュースをブツクサブツクサ言って見ていましたが、「これらの認識の下、100年を見据えて未来志向の日韓関係を構築していく」という談話には納得するものです。

区内にある朝鮮第九初級学校では、運動会やお祭りなどが開かれ、私たち議員にも招待状が届きます。生活者ネットからは同僚議員の小松久子さんが参加していますが、こういった地域との関係をつくっている保護者の努力は並々ならぬものがあります。
この学校の耐震化改修にしても、区や都から補助金もでません。万一の時には、周辺住民のための物資の拠点にもなれるところです。
今回の高校無償化では、朝鮮学校が外されています。同じ日本で学ぶ子どもたち。民族教育の授業が行われているのを理由に、除外するのはおかしいと思っています。また、拉致の問題も解決をみないままですが、それをも理由にして朝鮮学校を除外するのは、どうだろうか。みんな、税金を払って日本に暮らしているのです。

一番近い外国です。過去の歴史をお互いが認識したうえで、真に理解しあえる日が来るように、市民レベルでも努力していきたいと思います。