大津波の爪痕のなか、「重油混じりの黒い悪魔」を体験−被災地報告①

2011年5月5日 01時14分 | カテゴリー: 安心・安全

宿舎は花巻に置き、石巻と宮古に行って来ました

津波で浮き上がり、車に乗ってしまった建物。
津波で浮き上がり、車に乗ってしまった建物。
前回、「花巻に行って来ます」をご覧になった方から、「花巻も被害があったのか」「なぜ花巻に?」と訊かれました。実は、私が加入している生活クラブ生協のさつま揚げ生産者(高橋徳治商店−宮城県石巻市)と、ワカメ、ウニ、カキの生産者(重茂〈おもえ〉漁協−岩手県宮古市)が今回の大震災で被災しました。継続した支援を行うには宿舎となる拠点が必要です。運よく花巻に空き家を提供して下さる方がいて、そこを拠点にして石巻や宮古に通えるようになりました。

まず、石巻。町なかに入ると停電で信号機が点かないため、警察官が交通整理をしています。突然目に飛び込んでくる瓦礫の山。津波の被害に遭ったところとそうでないところとの違いがはっきりわかります。突然、成形物は何ひとつなく、すべて瓦礫。そしてヘドロの臭い。

高橋徳治商店での仕事はヘドロ掻きと社長の自宅の生活用品のヘドロ落としです。まず装備。ヘドロと格闘するために合羽(上着とズボンのレインウェア)を着て、防塵マスク、ゴーグル、帽子、長靴、ゴム手袋。私は生活用品のヘドロ落としを担当しました。石巻市のこの地区はまだ水も電気もつながっていないので、花巻の宿舎からタンクに水を汲んで運びます。ヘドロをざっと落とす下洗いと仕上げ洗いの2工程ですが、重油混じりのヘドロなので水だけでは限界があります。重油がフライパンや花瓶の裏底にべっとりついてとれません。おうちの方が捨てるにしても再度使うにしても、判断ができるようにヘドロを落としておくことが必要だと思いました。ヘドロの海の中では和皿なのか洋皿なのかお盆なのかわかりませんから。

大潮で、この日は14:30ころから海水が道路に上がってきていました。海からというより、マンホールからです。その水で工場のヘドロ掻きの人たちはレインウェアを洗っていました。「水がないから海水でもありがたい」と言いながら。皮肉なものです。

とにかくどこから手をつけたらよいのか、その判断が到底できるものではないのが「大震災」です。この状況下では、行政はなにもできないと・・・(あ、交通整理の巡査がいました)。やはり、たすけあいのまちをつくることが必要だと思いました。