「10tトラックで78台のヘドロを運び出してもらって、やっとこの先のことを考えられるようになりました」・・・被災地報告②

2011年5月6日 10時40分 | カテゴリー: 安心・安全

ヘドロ掻き。フラッシュをたいて撮影したので明るいが電気と水はまだ来ていない。
ヘドロ掻き。フラッシュをたいて撮影したので明るいが電気と水はまだ来ていない。
大津波によって想像を絶する量のヘドロがまちに流れ込み、その掻き出しに多くの人手が必要になっています。私たちが訪ねた工場の床にも重油混じりの真っ黒なヘドロが押し寄せていました。作業をするなかで社長さんからお話を伺うことができました。

「ヘドロに埋まってしまっている状態を見て、あーもう駄目だと思った◆地震直後に生協の人たちが支援に来てくれたが、なんで来るんだと思っていた。復活することに何の意味があるのかと。だから2〜3週間は来てもらうのが重荷だった。でも、ヘドロが10tトラックで78台運び出された頃から、もう一度立ち上がろうという気持ちになった◆親の代からの食器や台所用品がヘドロに埋まり、なんとかしなくてはという思いがあるものの手をつけられず、気持ちの中にもどろっとしたものがあってそれが重しになって頭も身体も動かなかった。でも、母屋のヘドロを洗ってもらって気持ちが軽くなった。昨夜は地震後初めて熟睡した◆震災後1ヶ月半は笑えなかったが、つい1週間前から笑いが出るようになってきた。笑った自分に興奮して眠れなかった◆このまちの人は車を走らせていて相手に道を譲るなんてことはしない。いまはボランティアの人たちが出入りするようになって道を譲るようになった。この地域の人は震災を経てみんなあたたかくなったような気がする。思いやりも持てるようになってきたように思う」

「頑張れ」と簡単に口にしてしまうけれど、それを受け止める側は複雑な思いがある—それが伝わってくるお話でした。「頑張れ」という言葉よりも、気持ちを軽くしてあげることが1番なんだと。NPOによるさまざまな支援(労力、医療・心療のケア、子ども、高齢者、障がい者、教育・・・)があちこちで行われています。連休中もおおぜいのボランティアが参加したいと手を挙げていたのを受け入れ場所がないという理由で断っているとの報道がありました。近くで宿舎を確保するのは確かに厳しいと思います。ボランティアの宿舎が大きなカギです。私たちが拠点にしていた花巻は、重茂まで直線距離で75km、石巻まで同じく125kmと幾分離れてはいますが輸送の手段があったので手伝いに通うことが可能でした。周辺の自治体が「ボランティアの拠点と輸送は任せなさい」と言ってくれるとボランティアがもっと行きやすいのではないでしょうか。被災地だけでは無理です。