重茂(おもえ)のワカメは、どっこい生きていた!−被災地報告③

2011年5月7日 00時04分 | カテゴリー: 川・みず・みどり

カキやアワビの養殖場は根こそぎ流されたが冷凍庫のウニは無事だった

重茂漁協の「合成洗剤を使わないことを申し合わせた」看板。
重茂漁協の「合成洗剤を使わないことを申し合わせた」看板。
2日目の作業は重茂川の中に残る瓦礫の撤去でした。重茂では漁師をしている方たちが山に入り、「森は海の恋人」を合言葉に山に木を植えてきました。森によって雨水がしっかり受け止められ、山からはきれいな水がこんこんと湧き、重茂川の流れをつくってきました。湾のワカメやコンブ、カキ、アワビはその水で育てられてきたのです。

今回の大津波で瓦礫が重茂川を駆け登りました。私たちは瓦礫が到達した最上流に行き、川の中に沈んでいる異物を取り除く作業をしました。すでに重機が入って作業が行われたのでしょう。川の両岸は津波でなぎ倒された木が数え切れないほど積まれていました。川の中は手作業でしかできないのでまだ手つかずの状態でした。下流にあるカキやアワビの養殖場が津波で押し流され、養殖池で使われていたビニール製のシートが1kmほども上流の川底に無数沈んでいました。鉄骨やベニヤ板、網、工事表示の看板まで入っています。特に木の枝に引っ掛かっている網。たかーいところに引っかかっている(津波が高いところまで来ていたことがわかります)のを外すのですが、網が木肌に絡みついて簡単には取れません。蝉のように木にしがみついてカッターで網を切りとっていきます。山の斜面に生えている木に引っ掛かっている「浮き」はさすがにとれませんでした。漁師の方はこの景色をどれだけ悲しい気持ちで眺めているか。津波の爪痕を早く取り去ってあげたい…そんな思いで残骸を拾いました。13人で4時間、500m程度しかできませんでしたが、川の中はきれいになりました。下流に向けて何回か続けて拾いに来なければ、と思いました。

大震災に見舞われた重茂の集落では約1700人の住民のうち49名が亡くなられたそうです。さっぱ船(小型船)も津波で流され、900隻あったのが14隻(!!)に。でも漁協は、このひと月半の間に中古船を買い集めて10倍の150隻まで増やしてきたとのこと。すごいパワー!この日も、漁師さんたちが沖に仕掛けてあったワカメの網を引き揚げていました。天然ワカメもどっこい生きていた!家族を失うなど辛いことがあったであろう漁師さんの表情もワカメの話になると笑みがでます。数年はかかると思いますが重茂のおいしいワカメがまた食べられますように!

このエリアは30年前に、重茂漁協総会、重茂漁協婦人部総会で「合成洗剤を使わないことを申し合わせた」地域です。自分たちの暮らしを支えている海を守るために、山を守り、川を守る運動を続けてきました。この地域では「せっけん」が使われています。きれいな川、海を守るためにせっけん運動がある地域です。
杉並区を流れる河川には雨天時、下水混じりの雨水が流れ込みます。合流式下水道だからですが、川の中の生き物のためにせめて合成洗剤ではなくせっけんを使うルールがほしいです。昨年、杉並区環境基本計画の見直しでやっと「洗剤は環境配慮型にし、使用は必要最低限に」の1行を入れることができました。ここに「せっけん」の文字を入れたい。洗浄剤はせっけんで十分なのになぜ合成洗剤が使われるのでしょうか。それもトイレ、お風呂、洗濯、台所、換気扇、洗顔、洗髪…とそれぞれ目的別の洗浄剤がありますが、我が家はすべて「せっけん」1つです。

そういえば、せっけん使用の我が家の全自動洗濯機。洗濯槽クリーナーで手入れをしているのですがピロピロワカメがあまりにすごくて、もう買い換えドキかと電気屋さんに洗濯機を見に(見るだけのつもりでした)行きました。いま、洗濯機はすごく進化していて、入れる口は四角ではなくて円形、上から入れるのではなく手前の面から入れる形で、乾燥機と一体型が主流なんですね。もうお目目がクルクル(@_@)
お店の人に「どのくらいお使いですか?」と聞かれ、(藤田愛子さんが最初に都議選に出た時、洗濯に時間がかかって朝事務所に出る時間が遅くなる、と言ったらみんなに「え〜?!いっちゃんち、まだ2層式の洗濯機なのぉ?!」と驚かれてその時に買ったから1993年)「18年でしょうかねー」というと店員さんは「・・・・通常7〜8年で買い換えられていますが」と。だって元気にピロピロワカメ出しながら動いているんだもの買い換えないでしょーフツー。しかしピロピロワカメが出続けていたことを考えるともう限界を超えていたのかも。で、普通(上のふた開けて洗濯物を出し入れするタイプ)の全自動洗濯機を買いました。

・・・って、何の話でしたっけ?そうそう、せっけん。重茂地区のせっけん運動は生活の糧であるワカメやコンブなどの収量を維持していくためのもの。山も川も海も人々の暮らしもすべてワカメなどの海産物とともにある。毎日の暮らしと直結しています。都会で暮らす私たちの台所も川や海とつながっているのですが、油を流したって合成洗剤を流したって家庭の収入に影響を及ぼしている(この処理に税金が投入されている)のが見えにくいわけで、なかなかせっけん運動が広がらないのも事実です。でも下水のにおいのしない川、ヘドロがたまらない海を誰もが欲しています。暮らしの質を高める意味でも都会でこそせっけんを使いたいものです。

7月はシャボン玉月間です。毎年、シャボン玉フォーラムが開かれ、昨年は重茂が会場でした。各自治体の首長からメッセージが協同組合石けん運動連絡会に寄せられ、杉並区長も書いています。さあ、今年のメッセージはどんな内容になるのでしょうか?