原発技術者は言う。「原発は綱渡りの技術である」

2011年5月9日 12時41分 | カテゴリー: たべもの

本当のことって一体なんなの?今日も放射能情報にタオルを投げ続ける天笠啓祐さん

学習会終了後、天笠さんを囲んで。参加者の質問が出るわ、出るわ。それだけ、満足がいく情報、説明が東電や国から出ていないということです。
学習会終了後、天笠さんを囲んで。参加者の質問が出るわ、出るわ。それだけ、満足がいく情報、説明が東電や国から出ていないということです。
「本当は話したくないんです。でも事実を話します。どうすればいいかはわかりません」
緊急学習会「放射能と食品」は講師である天笠啓祐さん(科学ジャーナリスト)のこの発言から始まりました
◆情報が1か所からしか出てこない。
◆ジャーナリストは30km圏内に入っていない。
◆御用学者(原発に賛成の学者)しかメディアに出てこないし、その人たちがメディア情報を取り仕切っている。
「本当のことって一体何なの?」
天笠さんはテレビや新聞から伝わってくる情報のいい加減さに怒り、タオルをテレビ画面に向けて投げ続けている毎日だそうです。

原発=核分裂の連鎖反応。核分裂は1/1000秒単位で起きるため、コンピューターがなければコントロールできない。つまり電気がなければだめ。停電すれば制御が利かなくなる。原発技術者は「原発は綱渡りの技術」と言っている—というお話を聞き、今回の震災が想定外だったと言っているけれども、地震があってもなくても「万一停電した場合」という基本的なものへの備え不足だったのではないか、と思いました。決して「想定外」の地震やそれによる大津波が起きたせいじゃない、と。

正しい情報が欲しい。いま流れてくる情報は本当に正しいのか?そもそも、暫定基準の「暫定」ってなに?放射能の「基準」があるけれど根拠は?基準値以下なら安全なの?どうやらそうではないらしい。
「これまでの許容線量から実効線量に変更して放射線の影響を薄めてしまった。日本人は野菜を多く食する民族。ヨウ素のCODEX(国際基準)は100なのに日本は2000に。恣意的な数字だ」と天笠さんはおっしゃっていました。

「風評被害」と農業、漁業者は怒っていますが、決して「風評」ではない状況だといいます。であれば国は野菜の出荷停止を解除すべきではありません。「実は3月15日にレベル7だったのです」と1週間後に言われてもどうすることもできません。なぜすぐに発表しないのでしょうか。食べてしまってからでは困ります。消費者の、知る権利、選ぶ権利を保障してほしいです。食品安全、消費者担当大臣の蓮舫さんにはしっかりと生活者の声を聞き、ご自分も子どもを育てる生活者として判断をしていただきたいと思いますし、私たち生活者ネットワークも国に向けてしっかり意見を言っていきます。

原爆を世界で唯一落とされた日本は「電力が足りないから原発にたよる」選択をしてはいけなかったのです。「電気が足りないから原発」という発想から「電気がこれだけしかないからみんなで分け合って使いましょう」に切り替える時だと思います。少々の不便があってもいいじゃないですか。次の世代に渡せる日本、社会をなくしたら、元も子もありません。
エネルギーの半分を原発に依存していたスウェーデンでは、国が「原発を停止する」と打ち出した後、原発を止める、止めないを国民投票で決めたといいます。今回、菅首相が「浜岡原発を停止する」という判断を打ち出しました。これを歓迎するものですが、私たち生活者は「原発はすべて停止」の運動に再度取組む時だと思いました。

給食は?子どもの遊び場は?水は?食べ物は?—立ち見が出るほどおおぜいの参加者があり、次々と手が挙がって質問が出されました。
選挙前にそね文子さんから「子どもが通う保育園の園庭の放射能が心配です。測定してもらいたいのですが」と相談を受けました。保育課に「検査をしてほしい。他の保護者からこういう声が届いていないか」と言ったところ、「そういう声は届いていません。新宿地点の数値が発表されているのでそれを杉並区は参考にしています。私どもとして計測する予定はありません。放射能測定器があるとすれば環境課か保健所だと思います」。
環境課は「うちには測定器はありません。保健所だと思います。測定する予定はありません」。
保健所は「測定器、ございますが古いので買い換えを予定しています。園庭の放射能ですか?測定する予定はありません」と。新しい計測器を買ったらぜひ子どもの遊び場を計測してほしい。新しいもの買うと人は試してみたいでしょうから、と要望しました。
天笠さんは、「安いものはヨウ素、セシウムしか測れない。自治体にはぜひ他の放射性物質も測定できる3000〜4000万円のものを買ってほしい。区民の健康を守るのが区の役目なのだから決して高い買い物ではないはず」と。確かに。

とにかく解決方法がないのが放射能です。国や都、区などの「公」から正しい情報が提供されることが重要。私たちは基準値の意味を知ったうえで、自分で判断するしかないのですから。やはり運動を起こすしかないです。