93年、杉並区が中高生の居場所作りをする、という情報を当時の生活者ネットワークの区議樋口蓉子さんから得て、私は中高生の居場所づくりに関心のある市民と当事者である中高生の子どもたちとともに、ワークショップ方式で市民提案をつくりました。
「市民参加」と口では簡単に言いますが、同じ意見も違う意見も出し合い議論を重ねながらひとつひとつ決めていく作業は時間も労力もいります。子どもたちは根気よく提案づくりをしました。区が設置した検討委員会に提案書をだしたり、区の中高生委員会に手を上げて積極的に参加したりするなど、彼らも自分たちがアクションを起こすことで夢が実現可能になるということを学んだといいます。その結果、「ゆう杉並」ができ、設立趣旨は脈々と受け継がれ今日に至っていることをうれしく思っています。
視察のニュースを見て、つくっていくプロセスに子どもの参加を得なければ決していいものはできないと提言したいと思います。大人が用意して「はい、君たちが望む施設をつくってあげたよ。自分たちで運営していいんだよ」ではだめです。そこのところを、安倍総理が見てくれていれば良いのですが・・・。
参考:「ゆう杉並をご存知ですか?」